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個人事業主と会社設立の違い
事業するのは個人と会社とどっちがいい?
お店や経営を始めるとき、又はすでに経営を行っていても疑問に思うこと・・・「経営は、個人でやるのと会社でやるのと、どっちの方がメリットが大きい?」答えは、簡単には出ません。みなさんの状況によってどっちが有利か不利かが変わってくるからです。
ただし、一般的には、規模の小さいうちは個人で、ある程度の規模になってきたら会社形態にする、という手法が主流のようです。(個人事業で始めて途中で会社形態に変更するということは可能です。)
取引先や仕入先からの信頼を得るのは法人
個人事業よりも法人の方が信頼を得るのは間違いありませんが、最近ではフリーランスでの規模の大きくなっており、ランサーズなどの個人へ簡単に仕事を頼める時代になりました。しかしながら、まだまだ法人の方が信頼面で有利になる場面があります。
- 銀行融資は個人事業よりも法人の方が圧倒的に有利
- 法人営業には法人が必要。個人では口座取引不可が多い
- ネットショップやWebサイトでは法人の方が安心する
- ネットショップでは売れ方が違う
会社設立のメリット
会社設立の最大のメリットは、有限責任であることです。この制度のおかげで何度でも事業に挑戦することが可能となります。また、節税効果が大きいこと、会社に信用力があること、補助金や助成金の獲得や銀行融資など資金調達が大きなこともメリットとなり、会社設立を選択される方が多くなってきています。
1.有限責任
株式会社の株主は、出資に応じて株式を取得し、会社や債権者に対し、その出資を超えて責任を負いません。これは株式会社は、経営に携わらないが、会社の利益分配を得る投資家の需要に対応しています。持ち株会社のうち、合同会社、株式会社は出資額を上限とする有限責任ですが、これに対し、合名会社と合資会社は無限責任社員が必要なためおすすめしておりません。個人事業の場合、税金や借入金、買掛金など、自分自信で返済しなければなりません。
2.節税効果
- 経費の幅が広がる:自分に掛ける生命保険や自分や家族に支払う退職金などが経費として認められます。領収書はすべて保管しておくことをお勧めしています。
- 赤字の繰越控除が長い:赤字は7年間繰り越して控除することが可能(個人事業主は3年間)
- 法人税は税率が一定:個人事業の所得税は累進課税であるため、所得が増えれば増える程、税率が高くなるが、法人に掛かる法人税は税率が一定のため、売上や利益が多い場合、法人化をお勧めしています。
- 相続税:個人事業主ですと、本人の全財産に相続税がかかりますが、法人の場合、会社の資産にはかかりません。(本人が所有する会社の株式には相続税が掛かります)
3.信用力
- 銀行融資:銀行からの借入は個人事業主よりも、法人のほうがしやすいといわれています。
- 人材確保:個人事業主は社員の確保が難しいと言われています。法人である方が、採用が容易になります。
- 営業力:個人事業主とは取引をしないという会社や個人事業主に不信感をもっている会社もあります。また、営業の場合でも、法人のほうが相手に与える印象がよくなります。
- 家族への給与:株式会社の場合、家族への給与支給に制限がありません。所得を分散し、所得税、住民税を節税することも可能です。(個人事業主の場合は、青色事業専従者給与として税務署へ届出が必要です。)
4.資金調達の幅も広い
法人は、銀行融資以外にも助成金、補助金、株式の増資など資金調達の手段が多くあります。地域、事業に応じて適用できる補助金、助成金を探し申請していくことが必要です。
5.決算月が自由
個人事業主は、1月~12月が決算期間と定められています。株式会社は決算の月を自由に定めることができます。多くの欧米の企業のように12月決算にすることも可能です。計画的な経営や節税対策などが行うことでできます。税理士法人みなと東京会計では事業に応じて適切な決算月をアドバイスさせていただきます。
個人事業主のメリット
個人事業主のメリットは、事業を維持していくコストが安いことや、役所等への手続きが簡単なことです。
1.利益がなければ税金も掛からない
個人事業主の場合、所得税を支払うので、利益がなければ、税金はかかりません。法人の場合、法人住民税を毎年約7万円を支払わなくてはいけません。
2.社会保険負担も低額
個人事業主は、国民健康保険と国民年金に加入すれば問題ありません。(法人の場合、従業員の分も含め、健康保険と厚生年金保険への加入が義務づけられます。)
3.交際費が全額経費に
個人事業主の場合、交際費が全額経費にできます。
4.事業を開始・廃止するのが簡単
個人事業主は書類を2種類提出するだけでなることができます。 (会社設立をする場合、登記が必要ですので、費用が20万円以上かかります。また事業を廃止する場合でも、解散登記30,000円と清算結了登記2,000円がかかります。)
5.確定申告が簡単
個人事業主の青色申告は簡単であるため、自分で行うことができます。
6.事務負担が小さい
登記や事業廃止、確定申告の簡単さなどの他にも、個人事業主は事務負担が小さいです。逆に法人は、事務負担が大きく、社会保険や労働保険の手続・登記事項の変更などで面倒な手続きを強いられます。
- ポイント
- 事業の特性上会社設立をしたほうがメリットも大きく、事業をしやすいため、株式会社の設立をお勧めしております。また、会社設立を選択する最大のポイントは有限責任であることです。
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